此処に在た記憶

CA3F0395

私が此処に在たという証明は総て行き交う人の記憶の中にしかない
私を此処に標す為には何を残せばいいの?

どんなに永く生きていても視る事のない宇宙の果て
どんなに永く過ごしていても判る事のない全ての理

そんな偉大の前に佇むほんの小さな存在だけども
語り継がれて欲しいと願う 誰か知っていればいいと思うの

幾つかの風が通り抜けて多くの人に出逢って
幾つかの空流れいって多くの物を解って
幾つかの音が擦り抜けて多くの恋をして
渡りゆくその時の姿が 誰かに届けと

願いの鍵を開ければそこに何があるの?
夢を紡いで輝いて強く生きる想いの姿が在るはず
穏やかに過ごす風の隣で
共に渡る姿はまが封印の中

先に進む力も
其処に留まる力も
私にしかないんだから
風見鶏の刻を此処に描いて決して迷わぬように
その姿見失わないようにモトメて歩く

いつか誰かの記憶の中でその名を呼ばれて
渡りゆく風の中でその声を聴けたら
私はそのために此処に在る響きを伝えよう

私はそのために此処に在る響きを伝えよう