16-AGEHA01

ひらひらと蝶が舞うがのごとく
掴みきれないものがそこにはあって

それは私の気持ちでもあって
それはこの恋の行方でもあって

たちまわるうちにどこに行くのかも
きっとそれは誰も知らない

ふとかわされた瞬間に羽から落ちるその粉拾い上げて
この恋を飾り付けてみようともしたけれども
どう着飾っていいのかすら分からなくなる

この想いの何が正しくて何が正しくないのかすら
その気持ちはきっとメビウスの輪のようで
いつまで経っても解決できないものだから

今はその成り行きに身をまかせて
今はその風に身をのせて
少しの間抵抗せずに流されてみるのもいい

通り過ぎていった風のように
ただふんわりと残り香を置いて
想いとトキメキと切なさが何度も胸をかすめる

ふと思い出すのはその静かな空気に包まれた穏やかな時
ふと思い出すのはその笑みを声と・・・優しさ

ショートフィルムのようなシーンをいくども再生しながら
少し切なくなって少し儚い気持ちになって
その心の在り処は今は何処にいるのだろう

だけれどもその場所には私もきっと行けない
開けない・・・心の鍵がそこにあるから

時の楔と約束と積み重ねられた時間は
どのような風を送ってきたのだろう

時に重ねてみたりするけれども
遥かに透明でそこには何もなくて

そこにあるのはきっと知らないもの
そこにたたずむのは遥か向こうにある風

風の悪戯でふと出逢った恋だけれど
あまり突然な風だったから
必要なものはすべて抜け落ちて
残ったものは・・・かすかに残った暖かさ

風向きはどこ・・・?
その風の先には何があるの・・・?

自由に空を飛びまわれる蝶になって
あの果てまで見に行くのもいい

だけれども・・・形にするのはまだ怖いから
しばらくこのままでその風に漂ってみよう・・・